厚生労働省の定義によれば、健康寿命とは「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」とされてます。
令和元年のデータでは日本人の平均寿命は男性で81.41歳、女性で87.45歳ですが、健康寿命は男性で72.68歳、女性で75.38歳、したがって健康寿命と平均寿命の間には男性で約9年、女性では約12年の違いがあるとされています。(参考:「第16回健康日本21(第二次)推進専門委員会」資料)
誰でも健康で長生きしたいと思うのは当然ですが、この健康寿命と歯の健康が大きくかかわっているのをご存じでしょうか。
愛知県知多半島の65歳以上の住民を4年間追跡した研究では、歯が多く残っている人や、歯が少なくてもきちんと入れ歯を入れている人は認知症発症や転倒のリスクが少なくなることがわかっています。具体的には歯が少なくなって入れ歯も使用していない人は20歯以上残っている人やきちんと入れ歯を入れている人に比べて点灯するリスクが2.5倍、認知症発症のリスクが最大1.9倍になると報告されています。
また、兵庫県香美町の報告では80歳で20歯以上を保持されている高齢者の方々は、そうでない同年齢の方々より自家用車や携帯電話の所有率が高いという結果が出ています。(以上参考:日本歯科医師会テーマパーク8020:https://www.jda.or.jp/park/relation/teethlife.html#1)
つまり、元気な高齢者でいるためにはできるだけご自分の歯を保持すること、また歯が少なくなってもきちんとした入れ歯などでお口の機能を維持することが重要となってきます。どうかかかりつけの歯科医院で定期的なチェックを行い、処置が必要な場合は早めに処置し、健康寿命を延ばしましょう。