え!? また歯を抜くのですか?

歯科医の間では歯を抜くことを「抜歯(ばっし)」といいます。これはご存知の方も多いと思います。

ところで、歯を抜いたりして口の中に傷ができた場合、希に糸で縫うことがあります。数日後にその糸を抜く場合、普通に言うなら「抜糸(ばっし)」です。しかしそうなると抜歯か抜糸か発音が同じで紛らわしいので、我々は抜糸を「ばついと」と呼ぶことも多いのです。

さて、縫った糸を抜くときはその一部をピンセットでつまんでハサミで切って抜くのですが、糸を切るハサミを「抜糸剪刀(ばっしせんとう)」または略して「抜糸剪(ばっしせん)」といいます。歯を抜いて傷口を縫い、数日後に糸を抜こうとして歯科助手さんに「抜糸剪刀(ばっしせんとう)をください」と言うと患者さんが「えっ、このあいだ抜いたのにまた抜歯ですか!?」。

いえいえ違います。うーん、業界用語だから慣れちゃっているけど、「ばついとバサミ」、「糸切りバサミ」とか言い換えた方がいいのかなぁ。悩みます。